溶連菌という病気を聞いた事がありますか?
正式には溶連菌感染症と呼ばれていて、秋の終わりから夏の初め頃にかけて流行しやすい病気です。
溶連菌に限らず病気になれば体力も奪われますが、溶連菌に関してはどこまで運動の制限などがあるのかについて疑問に思いました。
この記事では、溶連菌と運動の関連性について説明していきます。
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溶連菌=病名として扱われる場合が多いのですが、溶連菌とは正式には溶血性連鎖球菌と呼ばれる細菌の事です。
その細菌にはα溶血とβ溶血の2種類があり、β溶血はA群・B群・C群・G群などに分類されていて、どれも人体に対しての病原性を有するものです。
溶連菌感染症の9割以上がA群によるものと言われているので、A群β溶血性連鎖球菌による感染症=溶連菌感染症として理解されている場合が殆どです。
主な症状は喉の痛みと発熱で、この時点では風邪と区別がつきにくいです。
溶連菌の場合は、身体に小さくて紅い発疹が現れたり、舌にイチゴの様なブツブツが現れてイチゴ舌と呼ばれる状態になります。
頭痛・腹痛・リンパ節の腫れを伴う場合もあります。
溶連菌は感染力の高い病気ですが、治療薬である抗生物質を服用する事で24時間後には感染力は殆ど無くなると言われています。
ですが、A群β溶血性連鎖球菌は体内に残っているので、必ずしも感染しないという訳ではありません。
溶連菌の感染経路は飛沫感染と接触感染なので、人と関わる機会が多いと感染させてしまう可能性も充分にあります。
普段の元気や体力が戻ったとしても、処方された抗生物質を飲み切るまでは運動は避けましょう。
溶連菌は再発しやすいと考えられているので、医師によっては完治してから1か月程度の運動制限を指導される場合もあります。
溶連菌に明確な運動制限はありませんが、運動が原因で溶連菌感染から骨髄炎にまで発展したケースがあります。
骨髄炎は溶連菌による合併症の1つですが、飛沫感染した溶連菌が骨髄の外傷に入り込み炎症を起こして骨髄炎になる場合もあります。
1例を紹介します。
とあるラグビー部員が、発熱と股関節痛を訴えて病院へ運ばれました。
抗生物質を服用しても症状が悪化していく為、入院する事になってしまいました。
X線で詳しく調べてみると、恥骨結合部に虫食いの様な異常が見付かりました。
その後、菌に適合した抗生物質などを服用して、無事に退院する事が出来ました。
これが、溶連菌による骨髄炎の症例です。
では、何故これが運動が原因なのでしょうか。
この例で治療対象になった恥骨ですが、ここはスポーツ選手が痛めやすい部位の1つです。
特に脚を使う動作の多いサッカーやラグビーなどは、恥骨結合部や恥骨周辺筋が摩擦で傷付いていきます。
その傷に溶連菌が飛沫感染してしまい、この様な事態になってしまうのです。
ここまでの事態に発展するのは稀ですが、こういった事もあるのだと覚えておくと良いでしょう。
周りの人の事も考えて、(先程書きましたが)普段の元気や体力が戻ったとしても処方された抗生物質を飲み切るまでは運動は避けましょう。
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溶連菌には、A群溶連菌感染症と呼ばれる死亡率が30%を超える種類もあります。
安静にする・薬を最後まで飲むなど、自分は勿論、周りの人達の為にも気を付けましょう。
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