風邪と喘息は全く異なる疾患です。
よく、風邪をこじらせて喘息になったと聞きますが、本当なのでしょうか。
また、風邪と喘息はどのような違いがあるのでしょうか。
風邪と喘息の違いをいくつかご紹介します。
見分ける際の参考にしていただけると幸いです。
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風邪から喘息になってしまうことはあるのでしょうか。
はじめに風邪と喘息では体がどのような状態になっているのか知っておきましょう。
風邪とは、ウィルスや細菌の感染が原因で喉や鼻の粘膜が炎症を起こしている状態です。
鼻や喉は上気道と呼ばれます。
風邪を引くと、上気道が炎症を起こすため、咳や喉の痛み、鼻水やくしゃみ、発熱を生じます。
対して喘息は、空気の通り道である気道が常に炎症を起こして狭くなっています。
ホコリやダニ、花粉などのアレルゲンやタバコ、薬品、排気ガスなどの有害物質が、炎症を起こしている気道粘膜を刺激して、炎症を悪化させることで発作を引き起こします。
一見すると風邪と喘息は関連がないように思えますが、風邪から喘息になることは十分考えられます。
風邪を引くように免疫が低下している状態でアレルゲンに接触すると、アレルギー性喘息を引き起こしやすいとされています。
また、風邪のウィルスそのものが抗原(アレルゲン)として働くことがあります。
アレルゲンが体内に侵入すると、アレルギー反応に関与するIgE抗体と結合します。
するとヒスタミンという物質が放出され、気道粘膜の炎症が悪化し気道を収縮させてしまいます。
風邪は上記のような仕組みで喘息を起こします。
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風邪と喘息で異なる点はたくさんありますが、見分ける際のポイントをいくつか紹介します。
一つは「喘鳴」です。
喘鳴とは、気道が狭くなることで、呼吸に伴って空気が通るときに「ゼーゼー」といった音が鳴ることです。
喘鳴は気道が狭くなっているサインです。
二つ目は呼吸困難です。
喘息では、気道が狭くなることで、空気が通りにくくなり呼吸困難となります。
さらに、呼吸困難に伴い呼吸をするための筋肉を酷使するため、胸部の筋肉の痛みや疲労感を感じることがあります。
発熱がないことも風邪と喘息の異なる点です。
風邪では、細菌やウィルス感染のため熱が出ることがあるのは、みなさんご存知だと思います。
しかし、喘息だけでは発熱はほとんど見られません。
また、喘息では夜中から明け方にかけて発作が起きたり、症状がひどくなったりしやすいことも特徴の一つです。
風邪では、一日のうち極端に症状が重くなる時間帯があるということはあまり聞きませんよね。
喘息のうち、「咳喘息」では咳止めが効かない咳が2か月程度持続することも風邪との違いの一つとして挙げられます。
風邪と喘息の違いは、お分かりいただけたでしょうか。
見分けるポイントについていくつか挙げましたが、確実に鑑別するには病院を受診して検査を受けることが必要です。
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