更年期、それはある年齢に差し掛かった女性がさまざまな身体の不調を訴える時期です。
めまいや腹痛、頭痛、吐き気、微熱などの病気的な症状から始まり、肩こり、食欲不振、慢性疲労感などで何をするにもしんどいと感じることも多くなってくる時期でもあります。
こういうとき、どのように対処すればいいのでしょうか。
今回は、更年期障害の症状の中でも特につらいと言われている「吐き気」や「めまい」についてご説明してまいりましょう。
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吐き気がして気持ち悪いと思ったことのある方は多いと思います。
風邪などの感染症や二日酔い、暴飲暴食など、吐き気はさまざまなことが要因となって引き起こる症状ですが、これらは一過性のもの。
更年期障害における吐き気は、妊娠中の「つわり」に似ているとされています。
これは、エストロゲンという女性ホルモンの分泌が減るため、頻繁に気分不良になり、つわりのように吐き気に襲われるんですね。
また、頻繁に立ちくらみがしたりめまいがしたりする方も多いと聞きます。
これは、もしかするとメニエール病かもしれません。
メニエール病とは、何らかの聴覚症状、例えば耳鳴りや耳閉感、聞こえづらい、難聴などの症状があり、その上めまいを起こすという病気で、更年期障害に多い病気なんです。
このめまいは発作として繰り返されることがあり、安静にしていなければいけません。
抗めまい薬、鎮静剤などが通常の治療法で、さらにめまいによって不安な状態が続くときは、精神安定剤の投与もやむを得ません。
自宅でできる緩和方法としては、ストレスを発散したり適度な運動をしたり、あまり疲れを溜めないような生活を心がけることが必要となるでしょう。
この吐き気とめまいは切っても切れない関係で、めまいがするから吐き気がする、吐き気と同時にめまいに襲われるなどというように、誘発しあっていることが多いと言われています。
では、これらを緩和するにはどう対処すればいいのでしょうか。
まずは安静で楽な姿勢で過ごしましょう。
身体の右側を下にするようにして寝転ぶと、胃腸にある消化物が胃液に浸けておくことができるので、吐き気を軽減することができますよ。
次に、ツボを刺激して吐き気を抑えることができますよ。
薬指の爪の付け根の角から小指側にある「関衝」、足の親指の付け根の外側からかかとに向かう間で骨にあたる手前で、足の甲と裏の間くらいにある「公孫」、手のひらを上に向けたときに手首のしわから肘へ2寸ほどいったところにある「内関」などが代表的なツボで、これらをゆっくり深呼吸しながら10~15秒押すだけで、一時的に吐き気を抑えることができると言われています。
最後に、生活習慣の見直しです。
先程のメニエール病のときに少しお話しましたが、適度な運動をしたり食習慣を改善したりすることも、症状の軽減につながります。
脂っこいものやアルコールを控えて、適度な運動をして体力と免疫力を高め、ストレス発散や疲れも取りながら過ごしていくことが大切ですね。
前項で述べたような対処法を試してみても効果がなかった、または吐き気の軽減ではなく完全に抑制したい・・・と思っている方も多いと思います。
ここで疑問に浮かぶのが、更年期の吐き気に対して有効な薬があるかどうかということ。
効果があると言われている薬は、胃腸薬です。
長期的な吐き気は、胃酸過多の状態に陥ることが多く、それがストレスへとつながりさらに吐き気を煽ってしまうこともあるようです。
そういうときは胃腸薬を服用し、胃散をコントロールすれば、ストレスも溜まらず吐き気も抑制できるでしょう。
医療用医薬品ではプリンペラン、ナウゼリン、タガメットなど、薬局やドラッグストアで購入できる一般薬ではパンシロン、ガスター10、スクラート胃腸薬、ガストールなどが胃散をコントロールすることができるとされているので、ご自身の体質と症状に合った薬を選択して、副作用などが気になるようなら薬剤師さんと相談の上、服用するようにしてくださいね。
しかしながら、吐き気を完全に抑制するというのは難しいことだと思います。
そもそも吐くという行為は、腹部に侵入してきた異物や細菌、毒素などを身体に取り入れてしまわないようにするための防御反応で、自分たちの身体にとっては必要な行為なんです。
吐き気は消化器系の内臓を動かし始め、吐くという行為を誘導するためのものです。
吐き気がするからと言ってむやみに制吐剤を服用すると、消化器系の内臓を動かそうとする神経が麻痺してしまうおそれがあるため、吐き気が襲ってくることは非常にしんどいことではありますが、なるべく制吐剤を服用せずに自然と吐き気が治まるようにすることが良いと言われています。
したがって、制吐剤よりは胃散を調節する胃腸薬を服用する方が効果的ではないかと言われています。
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更年期の吐き気に効果的な薬は胃腸薬であると紹介しましたが、漢方も吐き気を軽減する効果があると言われていますよ。
①抑肝散加陳皮半夏
「よくかんさんかちんぴはんげ」と読む漢方ですが、自律神経の乱れが根底にある症状に対して効果的であると言われており、漢方初心者の方でも服用しやすいとされています。
これを飲むことによって、自律神経を整え、ストレスによる胃腸への影響も抑えてくれ、吐き気の軽減につながりますよ。
他には、冷え性、便秘、不眠、頭痛、高血圧、めまい、抜け毛、月経異常、食欲不振、うつなどにも良いと言われていて、更年期障害にはもってこいかもしれませんね。
②柴胡加竜骨牡蛎湯
「さいこかりゅうこつぼれいとう」と読む漢方ですが、気の巡りを良くし、身体に溜まった熱を放出してくれる効果が期待されています。
心を落ち着かせ、睡眠も十分とれるようになり、ストレスからくる胃腸のトラブルも防ぐことができると言われていますよ。
こちらも更年期障害のさまざまな不調にも対応でき、万能な漢方だと言えますね。
③大柴胡湯
「だいさいことう」と読む漢方ですが、胃腸が弱い方に向いていると言われています。
更年期障害の症状の他に、ダイエットや高脂血症、糖尿病などの生活習慣病に対する効果も認められていると言われています。
身体のほてりや炎症を鎮め、便通も良くしてくれますよ。
④柴胡桂枝湯
「さいこけいしとう」と読む漢方ですが、更年期の吐き気だけでなく、風邪や胃腸炎にも効果が期待されている漢方となっています。
吐き気もさることながら、胃潰瘍、十二指腸潰瘍、膵炎、胆嚢炎などによる心窩部痛にも使用されることがあり、痛みにも強い漢方であることがわかりますね。
⑤呉茱萸湯
「ごしゅゆとう」と読む漢方ですが、気の巡り、血の巡りを整えてくれるもので、吐き気や頭痛を緩和してくれると言われています。
身体の巡りを良くすることで、冷えも改善され、胃腸の働きも活発にしてくれるんですね。
こちらも胃腸が弱い方におすすめしたい漢方薬です。
以上、5つの漢方について紹介しましたが、ご自身の体質や症状に合うものを選んでくださいね。
更年期における吐き気を中心にお話してまいりました。
吐き気だけでなくさまざまな不調と付き合っていかなければならない時期ですが、漢方薬などを上手く使って乗り越えていけることをお祈りしています。
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